STOCK LIST
1964年 オースチン ミニ MK1 Sprint Version LHD
INFORMATION
年式 | 1964年 |
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カラー | ブルー |
内装 | ブラック |
走行距離 | 不明 |
装備 | 1964年MK1ベース、1275㏄クーパーSエンジンを1.4Lフルチューン。.26インチローダウン・スプリント仕様。スポーツエクゾースト、サスペンション、バケットシート、ロールバー。強化ディスクブレーキ、クーラー他。 |
PRICE | SOLD OUT |
DESCRIPTION
ミニスプリント仕様をご案内致します。
実用車としての高い資質に加えスポーツカーとしての大きなポテンシャルを持っていたミニの可能性を追求し、デザインの特徴をそのままにスポーツクーペなみの低く圧縮した美しいスタイルを実現したモデルが“Mini Sprint GT”でした。
1965年の夏のこと。ミニを使いこなすアマチュアレーサーであったジェフリー・トーマスGeoffrey Thomasが温めていた、“Chopping”と呼ばれる屋根を低めたアメリカのホットロッドカースタイルのミニの構想を、
同じくミニのアマチュアレーサーでありエンジニアのネビル・トリケット(Neville Trickett)の技術と“ピラーだけではなくウエストラインもカットしてはどうか”という優れたアイディアと融合することで世に生まれました。
そうして作られた登録番号VPR470の第一号車両は素晴らしくスタイリッシュな車となり、これを起点とし、のちには最も成功したF1プライベーターであるロブウォーカーのプロジェクトへの参加も経て、
ミニのみならず自動車ファンに良く知られる今日に至るまでの名作となりました。
当初のオリジナル生産車はトーマスThomasとトリケットThoricketによる“Mini Sprint GT”(GTはGeoffrey Thomasのイニシャル)と、ロブ・ウォーカー別注のWalker GTSの二種類で合計85台ほどが作られたものの、その現存率は極めて低く、のちにプロジェクトを引き受けたStewart and Arden社(当時ロンドンで最大のミニなどBMC車のディーラー)を始めとしたいくつかの会社によってスプリントのデザインの車両は作られ続け、
現在に残し続けています。それは戦前からのコーチワーカーの伝統のごとく、優れたデザインのボディはイギリスの自動車文化によって守られ続けたのです。
この車もまた、後年にMini SprintGTのオリジナルデザインと成り立ちを忠実に再現して製作された一台で、オリジナルVPR470と同一年式・同一スペックとなる1963年式のMini minor 850 (Mk.1)のボディをベースとし、
エンジンはクーパーS1275ccの物を搭載。さらにレーシングピストンとフルカウンターバランスのクランクシャフト。ストロークも伸ばし1275㏄から1460ccに排気量アップをしています。
ハンドルは左ハンドルとして製作されました。
当時のMini Sprint GTにもこの車のようにいくつかの左ハンドル車両が製作され、それらはデンマーク、フランスなどに輸出されていました。また、Walker GTSには1275ccのクーパーユニットが搭載されていましたので、きちんと当時のスペックに沿ったアレンジという事も出来るでしょう。
チューニングされたエンジンに加えて、この車にはエアコンやビルトインのナビゲーションの快適装備を備え、バケットシートとレース用ステアリング、ロールバーも装着しています。タイヤは少しワイドサイズのものにし、フェンダーも装着しています。内装は内張りもリアシートも備えていますので、レースカーの雰囲気と路上での快適性を高度にバランスした一台といえるでしょう。
さらにここから自分好みにカスタムしていくのも楽しみです。
現代の路上を走る上での快適性・走行性能を確保したここまでのフル装備状態でありながら、車重は非常に軽く仕上がっており、車検証上でも620kgとなっています。
ノーマルのMini Mk.1 Cooper 1275の車検証重量は装備品やスペックにもよりますが650~690kg程度ですので、フル装備でも30kg~70kg軽くなっている計算になります。
車高に関しては、タイヤ足回りにもよりますがノーマルのMk.1 cooperの車検証上の全高が132~135cm程度なのに対し、この車は117cmと、15cmから18cmも低くなっています。
どちらもオリジナルのSprint GTを完全に再現したものといえますが、改めてSprint GTの魅力的な特徴を感じさせます。
ノーマルミニからの変貌はそのスタイリングだけではなく、その走りぶりもまた印象深いものです。
ロブウォーカーチームでも活躍し、現役を引退していたかのスターリング・モスも、Mini Sprintの1275ccエンジン仕様をテストして気に入りプライベートカーとして購入しています。
当時のテストリポートを抄訳すると、
「ブランズハッチのショートコースでこの車は良く動き、低回転域のトルクが素晴らしかった。ハンドリングも一変している。通常のミニのアンダーステアの代わりに心地よいニュートラルステアになっており、アクセルペダルを緩め方によって思い通りのラインを走ることが出来た。」「新しいボディにより、特に高速域での加速が明らかに向上しているのは大きな美点である。」
「ロードカーとしてもレースカーとしても使える車であり、実際私はこの車が気に入って購入した。」スターリング・モス
Autocar誌の名物ジャーナリストであるジョン・ボルスター(彼もまた初期のミニの愛好者でした)の記事にはこの様にあります。
以下抄訳。
「Mini Sprintは4インチ(10cm)から5 1/2インチも(14cm)の全高が低くなり、
風を受ける正面からのボディ断面積が14%減少、重量も約1 1/4cwt(63.5kg)の軽量化に成功しています。
その効果によって、たとえシングルキャブのモデルであってもツインキャブのミニクーパーのノーマルボディに匹敵する性能を発揮しました。」「全方位にわたって視界がよく、ヘッドクリアランスは標準のミニと同じように天井から余裕があります。このローダウンされたマシンは、コーナーでのハンドリングが特に良く、空気抵抗が減ることでトップギアでの加速も素晴らしいものとなりました。」
「見た目の美しさだけでなく、よくできた実用的なクルマだという印象を受けました。ただ、後ろの席の実用性は落ちるのですが・・・。」ジョン・ボルスター
さて、実際に乗ってみたら・・・・?
この貴重なSprint仕様を愛車とし、街乗り、クラブマンレース等に幅広く使われては如何でしょうか?当時のシーンでSprintがそうやって使われていたように。